改正民法

今年4月に人事異動の対象のはず(?)なので、仕事は徐々に現在の職場の残務整理に移行しつつ、家に帰ったら人事異動に向けた肩慣らしや気分転換も兼ねて改正民法のお勉強中です。

なお、大学在学中は、民法法人の改正、担保物権の改正、会社法の改正、行訴法改正などが行われていた時期で、教科書の改訂が追いついておらず何が現行法なのかわからないような環境でお勉強してきたような気もしますが、どうやって、学期末の試験や公務員試験を乗り切っていたのか今では思い出せません。

役所に入ってから所管法令は日常的に読み込むのですが、民法なんて部分的にしか問題になりませんし、ここ6年くらい、民法解釈を要する業務からも離れていたので、正直、「民法ってどんなのだったっけ?」という状態です。

そのため、今回の債権法改正などを見ていると改正項目が多すぎて、頭が追いついていけません。司法試験というか、各種資格試験受験者は大変でしょうね。

また、個人的に学部講義は内田民法、公務員試験は川井民法入門、実務に入ってからは川井概論、各種コンメンタールなんかを使ってましたが、現在、改訂された教科書類で私好みのものがありません。とりあえず、改正民法の逐条的な解説本や概説は入手しつつ、リハビリも兼ねて俯瞰性が高い潮見民法全を流し読みしてますが、細かく読み比べているわけではないので何とも言えないものの、川井入門よりやや薄味なんでしょうか、体質的にちょっと物足りない感じ(?)です。とはいえ分厚い本を読む暇ないんで、これで我慢するしかありません。

古い教科書といえば、ダットサン民法の親族相続は改訂されてましたが、川井入門と川井概論はコンパクトで網羅性があって使い勝手が良い名著だと思いますので、著者は亡くなれていますが、どなたかが改訂をされると助かるのになーと思いました。

 

あと、最近、法律系の教科書類を読んで思ったんですが、法科大学院や新司法試験の影響なのか、立法沿革とか比較法的な部分の記述が弱い本が多くなったのかなと思いました。以前は、もっと体系書寄りの教科書みたいなのも含め教科書もバリエーションがありましたよね?その手の教科書は、オーバースペック過ぎて最近の学生さんに好まれないのか、執筆者が最新研究フォローするには細分化しすぎているのか、法科大学院のせいで教員の負担が高いのか理由はいろいろとあると思うのですが、実定法のテクニカルな解釈は日々具体事案と向き合う実務家の書いた本がたくさんあるので、学説や判例の研究に裏打ちされた重厚な教科書が読んでみたいなーと思ったところです。