帰りのバスの中で

 社内上映される「県○の星」…って、地方○務員である私に喧嘩売ってるのですかと(笑)
 公開時に映画館で見たことがあったのですが、良く出来てているストーリーでちゃんとオチもあって大変面白いのですけど、中身的に気になることとして…

  1. 県庁職員=エリートという設定&理解には無理があるだろうということ
  2. 主人公が関わる大型公共工事については最近ばやりのPFIでやるだろうということ
  3. 役所にマニュアルなんてあるわけ無いだろうと*1いうこと
  4. 出先ならまだしも、主人公の年齢で本課の係長って出世しすぎではとか
  5. 基幹部局にいるエリート職員なら、もう少し柔軟に仕事するだろうし、対外的に腰も低いのが一般的だろとか
  6. 役所に来るクレーマーさんとか、住民団体さんとか、対応が難しい人々がどの程度のレベルかぜんぜん分かってないでしょ、劇中に出てくる話が長いおばあちゃんとかに対応できない職員をエリートとは言わないはずです*2
  7. 地場のスーパーみたいに利害関係があるところに半年間も研修出すわけないでしょとか*3
  8. 地元企業の娘さんと交際中ならプロジェクトからはむしろ異動になる可能性が高いとか
  9. 名刺ですら自腹で作らされるのに、お茶とかコーヒーとかを公費でまかなってくれるわけないでしょ*4とか

等があげられるでしょうか。
 ちなみに、主人公が「書類作れてなんぼ」とか発言したり、標語の「洗て」⇒「洗って」とかに訂正するのは、入庁直後に映画を見たときには「んな分けないだろ」と思ってましたが、今は、むしろ「お見込みのとおり」と思っております。

*1:マニュアルがあるのなら、もっと効率的に仕事やってるよ。

*2:行政は住民相手の仕事なわけで、どのような内容であっても住民の皆さんの意見を勝手に無視したり門前払いにすることはできません。断る場合についても、基本的には、すべてきちんと聞いてから理由を説明の上でお断りするのが筋です。特に予定が入っていなければ、1時間でも2時間でもお話を聞くことになります。なお、継続案件とか重要案件とかは話を聞いてあとには、簡潔に報告書、記録書、日誌の類に残すし、残さなくても口頭で上司には報告します。映画の中のおばあちゃんのように、単に長いお話をお茶出して聞いていれば問題解決というのはむしろ良いほうであって、悪質なものは怒鳴る・脅す・揺さぶる・机をたたく・個人攻撃・言葉尻をとらえる・連日訪問・自宅に電話等を伴ってくることになるので、行政側が組織的に対応しなければ担当職員が精神的にやられてしまうようなひどいケースもあると聞きます。ここら辺、役所の職員の応対が悪いというのの背景には、この種の問題対応で精神的に疲弊してしまっている部分もあるのではないかと思慮するところです。

*3:地場は良くて若手の短期研修とかでご協力いただくだけですね。第一、このご時勢で中小企業が半年とか役場の職員を受け入れるゆとりはないですよ。役に立たないと分かっているのに。

*4:なお、日々飲むお茶とかは職場内の人で金を出し合って安い茶を買っています。来客用にまれにしか出さないお茶だけは、別のものが用意されていて、お客が飲まなかったお茶を「せっかくだから飲め」と臨時さんに言われて処理をしたことがありました。さめても美味しいお茶というのが、世の中にはあるのだなとカルチャーショックを受けましたね。