ちょっと息抜きに…

 以前、TUTAYAで見つけて気になっていたのですが、やっと借りて見ました。アメリカのエネルギー企業エンロンの設立から不適正な会計処理に至る経緯と、その発覚後の破綻の過程についてドキュメンタリーとしてまとめたものです。画面の作り方とか、非常に風刺がきいていて面白い作品です。


 日本で会計問題で事件となったといえば、ライブドア事件カネボウ粉飾決算事件などが記憶に残っていると思うのですが、それらの事件とはスケールが違うと言うかなんというか。ほんとに悪いことやりすぎです。投資銀行等の金融関係者、監査関係者等もエンロンには問題ありと認識しながら、グルになって金儲けに走っていたことを示唆する内容など、色々と考えさせられるものがあります。国や地方公共団体にしろ、株式等の市場等にしろ、適正さが担保された財務状況の公開は必要不可欠ということでしょう。(私の学生時代の興味関心等から)さらに発展的に考えれば、社会的責任投資や消費者問題等についても、投資家・消費者に対して適正な情報の提供が如何に大切かということを考えさせられます。


 その他、この手の番組を見て感心するのは、企業が社会的な問題を起こした場合の米国議会から当事者たちに行なわれる厳しい追及でしょうか。日本の場合、よほど政治的な問題に発展した際には(国会対策等の観点から)国会での証人喚問等が行なわれることもあるように思うのですが、どちらかといえば原因追及等は司法機関にゆだねているという印象を受けるわけですが、企業スキャンダルとなると社会的に大きな影響を与えることもあったり、その後処理に多額の税金が使われることもあるわけで、国権の最高機関たる議会がもう少し事件の原因追及をした上で適切な立法措置等を取ることが望まれるのではないかなぁという気がしてします。まあ、立法事情が米国と日本とではかなり違うのでしょうが。


 ちなみに、私は金融関係法令には詳しくないのですが、これらの事件等を背景にアメリカで制定された「Public Company Accounting Reform and Investor Protection Act of 2002」は、法案提出者の名前からサーベンス・オクスリー法SOX法)なんていわれて、書店の金融関係の書棚に行けば、「日本版SOX法」等のタイトルがついた書籍を見ないことはありません。このように提案者の名前が法案の略称として用いられるとかいうのは、日本の文化にはないことですよね。閣法や執行部提案条例が多数を占める日本国内の立法事情は考慮しなければならないわけですし、福田=安倍法とか法律の略称で用いられても中身がさっぱり分からないのですが(笑)
 他方で、政治利権絡みで首長とか国会議員とかの名前が通称として用いられている道路等はあったりするわけで、どっちがいいのかなぁという気がします。私の感覚的には、自分の名前が残るなら、道路と法律の略称なら、後者の方がより名誉な気がするわけですが(;一_一)まあ、票にはつながらないんでしょうね。