国有地売却 用途も審査

 平成19年6月29日(金)日本経済新聞1面記事に上記の見出しがあります。国有地売却に企画競争方式と総合評価方式を導入とのことで、従来の一般競争入札中心主義からの方針転換になるようです。背景として、景観保護・乱開発防止・治安維持等が目的にあるようです。

 私個人的には、このような取組みが模索されていくことについて肯定的に捉えているのではありますが、実のところ、まったく問題がないとも考えておりません。
 第1には、景観保護や乱開発の防止というのは、建築規制や土地利用規制などの法令で対応すべきではないかということ。第2には、競争入札を用いなかった政策効果というのが専ら特定地域に住む人々の利益にしかならないのであれば、それは国民全体のための財産の管理のあり方からして妥当なのかどうなのかということ*1。第3には記事に言う「反社会的勢力」への土地の売却を阻止したいのであれば暴力団等の入札を排除する条件付一般競争入札などで対応できるのではないかということです。
 第1については、杓子定規に考えるべきではないといわれるかもしれませんし、第2については乱開発による都市部の地価バブルの抑制までも考慮に入れれば国民全体の利益という話なるのかもしれません。 今のところ、自分自身の頭の中でも整理がついていない問題であって、今後、色々と考えていかなければならないのですが。
 最後にもうひとつ気になるのが、都心部の開発ともなれば莫大な金と様々な企業や人々の利害関係が絡むのですが、有識者会議とやらの決定で、それなりの公正性が担保できるのだろうかということ。まぁ、土地絡みの話は色々と生臭い部分がありますからねぇ(;一_一)

*1:簡単にいえば、国有地の隣に住む人にとっては売却後の土地の利用の問題は様々な問題が絡んでいるとはいえ、まったく関係ない所に住んでいる人にとっては土地がどのように利用されようが要は高く売れればよいという考えになるのではないかということです。