NHKスペシャル「激流中国」

 中国の大手飲料メーカーと、同メーカーと合弁会社を作った外資系企業との商標を巡る争い。中国の経済成長と知的財産との関係が垣間見える非常に面白いドキュメンタリーでした。NHKクオリティのよい番組だと思います。
 外資の持つ技術力と資本を頼りに、中国国内で合弁会社を作った中国のブランド企業が、次々に合弁先の外資からのっとられ、ブランドの廃止を余儀なくされるなかで。他方で、同じ中国人からも偽ブランド問題で足を引っ張られる中国ブランド企業と言う。皮肉な話です。
 中国としては、国内産業の育成を加速させるため国内企業と外資との合弁を推進してきたのでしょうが、やはりそこはシビアな外資企業の方が一枚上手だったと言う。私は別に産業ナショナリストではないのですが、やはり国内企業の育成のために海外の手を借りようとするのは、政策的にどうかと思わなくもないです。もちろん、それだけ中国は経済成長を急ぎたいのでしょうが。
 なお、メインストーリーは商標に関する話でしたが、商標譲渡に中国当局の許可が下りないとか、偽ブランド摘発のために当局を動かすために企業が上納金を払うとか話もありました。