社会人になるということ。

 「上司は頼りにならない? 厳しく指導されたい若手社員は約2割」(平成20年9月2日配信 Business Media 誠)とのこと。




…マゾ社員。




……一億総マゾ国家






………日本ハジマタ\(^o^)/




「叱られるより、叱りたい。」



 そんなソフトな地方○務員のotsukare_mode*1です(ぇ


※※ 注 意 ※※
 元記事ですが、念の為付け加えておくと。
==引用==
「上司から厳しく指導された経験が、結果的に自己成長に結びついている」と答えた若手社員は59.0%に達したが、実際に上司から厳しくされたいと考えている人は約20%にとどまった。
==引用終わり==
ってことですので、別に若手の多くがマゾ化しているという記事ではありません(←当たり前)
※※注意終わり※※


(以下、長文で面白くない話ですので念の為。)


……といいますか。この記事、調査したコンサルのネタだと思ってはいるんですが。上司を信頼できないと安心して仕事できないのは当然だというものの、上司に「頼って」仕事しちゃダメじゃないかと。なに甘えてんのかと。上司がイチイチ部下に指示しなきゃ仕事が回らないんだったら組織が機能しなくなるでしょ…と。


 就職してから現在に至る3年間、上司や先輩達には色々と指導はしてもらいつつ結構、自由放任(?)で好き勝手やって失敗も庇ってもらってるけど、それらに対しては本当に上司や先輩達に感謝してる反面、上司や先輩達に迷惑かけて申し訳ないな早く1人前になって迷惑かけないようになりたいと自分なりには一生懸命やってるつもりのotsukare_modeなんですが、ちょっとこの「厳しくしてもらいたい」っていう感覚というのは理解できない部分があるかなぁ。


 組織としてですよ会社なり役所なりに若手を育てる責任があるのは当然なんですが、職員個人のレベルとしてみるなら、あくまで勉強するのは自分自身でしょう。


 もちろん、仕事には教えてもらわないと分からない部分はあるんですよ。最初の導入の部分とか、そういう意味では上司や先輩って言うのは、ある程度はきちんと指導する責任があると思う。


 でも、若手職員手側としては、最初のうちは上司や先輩が「指示したこと」「教えてくれたこと」自体から学ぶんですが、次第に、上司や先輩が自分にどういう職員になって欲しいどう動いて欲しいと感じているのか、何を期待しているのかってことを感じ取ったり、あるいは上司や先輩がどう仕事と向き合っているのか、どう困難を対処していくのかを見ることから学びだすんだと思うんですよね。



 また、上司には自分のやっていることの報告はきっちりする必要があるし、困ったことはきちんと相談する。その意味でのホウレンソウは基本だと思うわけですが、上司が厳しく指導しないと部下が育たないような組織って言うのは、ある意味、学習能力が低い職員が集まっているというってことであまり良い組織や社会ではないと思います。



 この世の中、社会の変化のスピードは速いし、制度改正とかも日常茶飯事です。そんななかで、個別具体的な指示内容とか教えてもらったことなんて原理原則の部分以外はすぐ古くなっていくわけですよ。その意味で、「何かを学ぶ」ことではなくて「学び方を体得する」ってことが重要なんじゃないかなと思う訳です。




 otsukare_modeの前の職場は、前任者が口を揃えて言うように覚えることが多い職場でした。で、職場の上司とか先輩は、本庁でもトップクラスに業務に精通した人でキャリアも豊富な人達ですから、若手から言えば日常的に仕事するのがきつい訳ですよ。まず、業務上の会話が理解できないし、毎日、一緒に仕事してて自分がダメ職員なんだといつも思ってました。でも、そんな自分が悔しいから一生懸命勉強するわけじゃないですか。法令や例規は、表紙がボロボロになるまで読むし、業務に関係する本も職場においてあるのはもちろんのこと、図書館で借りてきたり買ったりして読む、毎日関係するニュースや最新判例をチェックして、上司や先輩の日々の会話に聞き耳を立て、現場に上司や先輩と一緒に出たらその目線・会話術・技術ってのを盗もう努力するわけでしょ。



 自分の仕事だけじゃない。先輩が書いた起案を読んで、書類の書き方を学んだり、そこに載ってる法令を自分でも引いてみたり、分からないことは素直に質問したりするわけですよね。先輩や上司の見解に疑問があるときは、素直に自分の意見を言って論争したりもする(もちろん、言い方の問題はありますが)。



 これらは決して楽なことじゃないんですよ。日々の業務を右から左に単純に流すだけでも相当な量があって、毎日、過酷な残業をこなしてるんだから。特に、1年目なんてオンもオフも何もない感じで、日常生活≒仕事って感じになってまして、毎日クタクタでした。でも、そうやって日々自分なりに真剣に仕事に向き合っていくことで、時間が経過するごとに次第に自分のレベルアップを実感することが出来したし、初めての人事異動を経験して、本当にあの時に頑張ったことが今の自分の力になっているんだなと思います。(ま、まだ修行中の身ですが。)



 現在、otsukare_modeは新たな着任地で、ベテラン職員の後任として、その担当業務をほぼそのまま引き継いで仕事をやっております。新任地では、残業がないからいいようなものの、業務の幅が広いし必要な知識なり経験なりも相当なものが要求されるから、otsukare_modeみたいな若輩者には仕事的にはかなりきつい部分があるわけです。はっきり言って、前任者のレベルを維持することは到底無理ですし、周囲はもちろんのこと私自身がよくそのことを分かっている。もちろん、上司や先輩達のフォローがあって、ベテランの非常勤スタッフさんに指導・教育していただいているから何とか仕事は回せている状態であるんですが。



 でも、現場に出れば周囲のサポートを十分に得られない状態で住民の人達には接しないといけないし、そのときに、「私は、若手だから、勘弁してください。」なんていえません。行政職員の責任として、守らなければならない仕事の水準というものはある。経験では前任者にかなわないけど、なんとか知識的なレベルでは追いつける水準に行きたい。


 
 そういう思いがある中で、前任地での2年間というのが本当に最近活きてきていると実感してて、もちろん業務的な知識や経験が活かせるっていうのもあるんですけど、そのほかに、ある一定の水準で仕事をしようとすれば、それなりの努力しなきゃいけないってこととが分かってるし、どうやって自分の知らない分野に切り込んでいくのかってことが分かってるっていうのが結構効いて来てると思います。頭で理解できてるんじゃなくて、体にしみこんでいるというか。だから、法律の話でも技術の話でも、分からなかったらひたすら基本書とか探してきて読むし、分からないことは分からないと詳しい人に人に素直に聞けるし、またそうやって勉強することがあまり苦にならないというか。



 でもこれって、上司や先輩から直接「指導されたこと自体」をやったり学んだりすれば体得できることじゃないと思うんですよ。自分なりに手や体を動かし、頭を使って、悩んだり、あがいたり、失敗したりしながら体得していくことと思うんですよね。



 上司や先輩が「厳しく指導してくれない」って考える人たちには、「厳しくは指導してくれないというのは、これは、もしかして自分の自主性を試しているんじゃないかな?」って気づいて欲しいわけです。それに気づくことが、社会人になるということの第1歩なんだと思います。

*1:実は、ソフトMだと思ってた人、挙手w