すでに他の方のブログ等でも取り上げられているので、ご存知かと思いますが、土地区画整理事業に係る判例変更がありました。判決に関する、最高裁HPはこちら。
もともと変更前の判例には批判が多かったですし、行訴法改正(に多少悪乗りしているようにも見える*1)以降の行政訴訟関係の判例の流れを見ていたら、変わってはいくだろうと思ってはいました(もともと、判例上でも、理由付けは異なるといえ、第二種市街地再開発事業や土地改良事業については、比較的初期の段階での訴訟提起の道が開かれていましたので)。
私のような素人の目から見て、多数意見はあまり見ていて面白いものはなかったのですが、藤田判事の補足意見と涌井判事の意見における処分性の根拠付けの違いや、近藤判事の補足意見における論点などについては、面白かったのではないと思います。土地区画整理事業について門戸を開くことについては、最高裁内でも異存はないのだと思うのですが、やはりニュアンスとか温度差とか、そういうのは少しあるのかなと思いました。
実は、某法に基づく換地処分について主任の担当者をやっておりますので、コメントしづらい部分というのもあるのですが、判決自体に対して思ったことを述べるとするならば…、
私個人としては、「現時点」としては藤田判事の補足意見に近い立場をとっているので*2、換地処分に対する訴訟を行うとき、実際に換地処分が行われる時点までまって訴訟を起こすことができないとするならば、実際には訴訟のタイミングが遅くなりすぎるというのはあると考えているので、できるだけ早い段階において訴訟を起こせるようにしておいたほうがよく、その意味で、今回の最高裁判例は歓迎されるべきものだと思います。
他方で、訴える側の立場を考えると事業計画決定段階で訴訟を起こすのと、換地処分の時点で訴訟を起こすのとでは、やはり争いに対するニュアンスが異なるのではないかとか、都市計画法絡みで等の権利制限が伴う計画なり指定等についての処分性が認められられるのか等々、まだその辺についての整理が自分の中ではついていません。