かんぽの宿売却問題について

 報道記事が多すぎなんでリンクしませんけど、なんだかんだで話が白紙にもどっちゃったみたいですねー。どうなんでしょう。


 譲渡価格の問題、入札過程の問題など様々報道されてますけど、個々の施設を一般競争入札で売るような場合と違って「かんぽの宿」事業全体とか、「かんぽの宿」ネットワーク全体を一括して譲渡しようとすれば、譲渡価格の評価のやり方も譲渡する施設の組み合わせ方も、一般的な土地・建物と取引とは異なってくるのは当然だと思うんですよ。施設を一括して売却するとなると、全体での収益性とかをシビアに見ないといけないわけでしょうから。


 日本郵政側だって、民営化されて、わざわざ資産を安い価格で売却しようなんて考えるはずもなく、可能な限り高く売りつけたいと考えているはずです。他方で、個別売却を選択した場合に、条件不利施設が売れ残る形になれば、不動産業者でもない日本郵政が買い取り先を見つけ出すのは至難の業でしょうし、買い手が見つかるまでの間の維持管理費だって馬鹿にはならないでしょう。まして、建物なんて経過年数が増えれば増えるほど価格の下落要因になるわけですから。また、国や地方公共団体みたいに閉鎖施設であっても草刈代ぐらいだしとけば何とかなるわけですが、株式会社ともなれば税制上の問題だって出てくるでしょうし、資金融資を受ける場合などに不利になったりする場合もあると思います。その辺を勘案して、日本郵政が、より確実に現金収入が得られる方法として一括譲渡を選択したというのには、一定の合理的な判断があったとは思うんですよね。もちろん、個々の資料が明らかにならないと、何ともいえない部分はあるわけですが。


 ちなみに、建設や取得に何千億円突っ込んでいようが、不動産の実勢価格ってのは都心や大都市部を除けばバブル以降は下がりっぱなしです。ちなみに、今の時代、公有施設の不動産取引で実勢価格より少し安い値段つけたくらいじゃ企業の人も買ってくれません。リーマンショック以前ですら、そんな感じでしたから、現在では企業の体力的や将来的な先行きの面からも売却がもっと難しくなっているんじゃないんでしょうかね。