行政説明の難しさ

 前述の名講義をされていた先生から、昨年度「行政説明は難しい」という話を聞いたことがあります。
 確かに、行政説明には、教えなければならないことは山ほどあるし、話は脱線するわけにもいかないし、中途半端な説明はできないし、個人的な見解を述べるわけにはいかないし、(施策に批判的な人もいるので)発言には中立性が求められます。
 実を言うと、私も、行政説明を聞くことに非常に苦痛に感じるタイプです。私個人としては、スライドを読み上げるだけのスタイルとか、きちんと自分の頭が整理できていないためメリハリがないとか、ストーリー性(施策の根底にある考え方を踏まえた個別制度論の解説)がないとか、そういうのは非常に嫌いです。特に、わざわざ東京まで呼びつけられて、資料を読み上げるだけの説明会を何時間もやられることは非常に苦痛です。
 私自身も、話の上手いほうではないので、おそらく聞き手にとっては結構苦痛な話をしているのではないかと反省しておりますが、私が行政説明をやる上で、いつもころがけているのは、冒頭に必ず「今日の話の流れ」を説明すること、出席者の目的やレベルに合わせた内容にすること、政策の基調にある考え方を意識した説明をすること、全体を説明してから部分に入ること、必要以上に細部の論点には触れないこと、時間はきちんと計算して枠に収めること、演台に立ってからは役者になりきることを心がけています。あと、基本的には通しで何度か練習するようにはしています。
 まあ、上手く出来てないから毎回反省してるんですけどね。
 でも、ある程度場数を踏むと下手は下手なりに「話をまとめられるようになる」というか、最近は、急遽、出先で話を依頼されて、5分〜10分とかでコンパクトに行政説明をしなければならなくなっても、ノンペーパーでも要点だけかいつまんで説明できるようにはなりました。