知的財産関係の問題にはじめて触れる自治体職員の方へ

 知的財産権に関する問題について、はじめて触れる際にざっくり読めるよい無料テキストとして、
・平成19年度知的財産権制度説明会(初心者向け)テキスト(特許庁)

・平成19年度著作権テキスト(文化庁)
があります。
 なお、知的財産権の関係では農産物ブランド等との関係で種苗法農水省)によって保護される育成者権も重要なのですが、私の知る範囲では無料テキスト等はなかったように記憶しています。
 なお、市販のテキストとしては、コンパクトで読みやすく安価で概観性が高いものとして

知的財産法 (有斐閣アルマ)

知的財産法 (有斐閣アルマ)

がもっともお勧めです。初心者の方が読むのであれば、一番この本が無難だと思います。

あと、1冊にはまとまっていませんが、アルマを読んでもう一歩先に踏み込もうとした際には、

知的財産法講義〈1〉特許法・実用新案法・種苗法

知的財産法講義〈1〉特許法・実用新案法・種苗法

知的財産法講義 2 第2版

知的財産法講義 2 第2版

の3巻は全分野フォローしていて非常によいと思います。特に第1巻は、あまり取り上げられることない種苗法を扱っていて重宝します*1
 制度設計論的な観点から言えば、
知的財産法

知的財産法

は面白いテキストなのですが、アルマに比べて分厚いし読みにくい気がします。
 また、実務家・学者のコラボ作品として
知的財産法概説

知的財産法概説

もありますが、説明が薄すぎて初心者向けとしては、あまりお勧めできる本ではありません。

 なお、知的財産権と一つに括ってみても、実際仕事をしていると、その同一性よりも差異の方が問題になることが多いように思いますので、個別法の本を読まざるをえないと思いますね。

*1:種苗法に関する逐条解説は、発明協会の本にあるのですが、あれだけを買おうと思うと高価で腰が引けます