名講義

 今回の研修では、4コマ分の講義をお願いしている大学教授の先生の講義を聞かせていただきましたが、非常に素晴らしい内容で感動しました。
 最初の1コマ目は、講義開始から20分くらいは、まったく講義資料の中身に触れる様子もなく、自己紹介も交えつつ面白可笑しい話をされます。しかし、話が脱線しているのかというと、決して、そうではなくて、今回の研修を行う上で学び取るべき重要となるポイント、物の見方、考え方ということを十分に踏まえながら、それを「面白い話」に仕立てているのです。導入部分が終わると、講義資料も交えて話をされていくのですが、かなりの部分、即興で話を組み立てられていて、前段の講師がされていた話に面白いツッコミを入れながら、しかも話のストーリ性は脱線せず進んでいきます。私がこれまで聞いたことのある講演の中ではダントツに素晴らしいものでした。
 内容的には、役所的言えば、キワどい話もされているのですが、それでいて嫌味に感じないのは、講師の人柄なのだろうなと思いました。
 1コマ目で笑いを取りながら、十分に受講者の心も掴んだところで、翌日の2コマ目からは割と真面目に講義を勧めていらっしゃりました。限られた時間で無理に知識を詰め込もうとせずに、要点に絞って話をされているのが印象的で、受講者の集中力が切れないように15〜20分程度に1回は笑い話を入れてくる。それでいて、全体的な話は時間内に理路整然と進んでいくというものです。
 先生の人柄や、頭の回転の速さ、そしてその分野についての第一線の研究者であると同時に、実務家でもあり、国の政策形成や、研修カリキュラムの策定にも深く関わっていらっしゃるからこそできる芸当なのだと思いますが、非常に名講義だなと感動しました。
 こういう先生が県外から来県いただけるのは、うちの自治体にとって非常に貴重なことだなと思いました。