自治体法務を学ぼうPart0―はじめに―

 自治体法務について何がしかを書き始めようと決めて約1週間、実のところ具体的に何を書くべきか定まらずいつのまにか日曜を迎えてしまいました(+o+)
自治体法務について体系的に「学ぼう」とすれば、「自治体法務の定義」とか「法源」あたりから書き始める必要があるわけですが、私のような素人自治体職員が自治体法務の定義を云々してもしょうがないし、法源についても条例制定権の話について触れなければならなり、腰が引けてしまいます(T_T)また、何よりもそのような体系的な本というのは世の中に山ほどあって、それらに何がしかを付け加える能力を持ち合わせているわけでもありません。そこで、otsukare_modeのような新人職員の日々の仕事の中で出会う問題を通して自治体法務の意味について考えてみたいと思うわけですが、今回は具体的に書く内容が定まらないのでotsukare_modeと自治体法務との出会いについて書いてみたいと思います。



 otsukare_modeが「自治体法務」という言葉に出会ったのは、大学2年後期に受けた木佐先生の「行政法」の講義でした。行政法の講義でしたので、自治体法務を正面から扱っていた訳ではありませんが、講義の指定教科書の1冊として『自治体法務入門』(ぎょうせい)が用いられていた*1ことからも分かるように、常に自治体行政の現状について目を向け、海外(とりわけ、ドイツ)の紹介がされる興味深い講義でした*2。その後、大学3年と4年の2年間先生のゼミで学び、多くの優秀で「現場主義者」な先輩・同期・後輩達に囲まれながら行政法について学ぶ機会を得たわけです。実証研究とグループワークを重んじる同ゼミを通して、多くの自治体職員に出会い、またほぼ1年を通して毎週のごとくゼミのメンバーと顔を合わせて議論する濃い2年間を送ることができました。



 他方で、otsukare_modeが自治体法務論の「華」とも言える政策法務・政策法学について学ぶきっかけとなったのは、行政法の講義やゼミを通してではありません。それは、大学3年後期に受けた「社会保障法」の講義と大学4年で受けた、「立法学」ゼミを通してでありました。otsukare_modeが在籍していた当時のQ大には社会保障法について研究をする専門の教員が欠員状態((ちなみに、現在は社会保障の教員は補充されているようです。))でした。そこで、久留米大の阿部先生と、厚生労働省から出向で見えられていた井原先生が交互に教鞭を取っておられました。阿部先生は正統派の社会保障法の解釈論を、井原先生は社会保障を立法学(立法過程論)的な観点から講義され、どちらも非常に面白い内容でした。
 その社会保障法の講義の最終回のとき、井原先生が翌年にゼミを担当されるという話を聞きました。そのゼミは、各自が興味ある政策課題を持ち寄って政策原案の作成から法案作成までを学ぶ内容だと聞き、「これはまたとないチャンスだと思い」その門戸を叩いたわけです。前述のように、otsukare_modeは一貫して3〜4年生の間は行政法のゼミ生でしたから、立法学については正式な受講身分を持たないサブゼミ生だったのですが、参加学生が2名という超少人数ゼミだったので、先生からの個人指導を受けることができ政策立案や法制執務について学ぶことができたのでありました。



 以上のように、otsukare_modeの大学生活というのは、「意欲ある自治体職員の方々」からは羨ましがられるような恵まれたものだったわけです。今振り返ってみても、当時は非常に贅沢な環境で勉強さていただいたいたものだと感心してしまいます。しかし、これだけ恵まれた環境で勉強させてもらっておきながら、実務の世界に入ったら忙しいと言って勉強をやめるというのは、自分にとって「Mottainai」ことだと考えて*3、この地方自治のための学習ノートを始めたわけでありましたm(__)m



【次回予告】
 我ながらなんと言うグダグダでまとまりの無い書き出しと反省しつつ、次回は真面目に「文書事務」について考えてみたいと思います。(→というか、奥深いテーマを選んだものだと既に後悔気味…orz)

*1:なお、もう1冊は公務員試験の定本原田尚彦『行政法要論』でした。

*2:とは言え、あまり真面目に受講していた学生とは言えませんでしたが…

*3:いや、周囲からそう言われているというのもありますが:笑