無体財産権の価値評価

 公有財産たる無体財産権は、その処分にあたり適正対価による処分することが自治上の原則ですが、では無体財産権の適正な価格とは何なのか。そもそも、無体財産権の運用はライセンスがメインであり、処分して売却益を得るという方法は運用手法としてかなり例外的なケースなのではないかと言う気もしていますし、価格の評価手法や評価制度が、公的にそれなりに確立されている不動産鑑定等と異なり、無体財産権の価値評価というのはそういうものがないですので住民に対する説明力が弱いなあという部分もあります。 ここ数日、経○省の関連する審議会の中間とりまとめや関連資料、その他関連文献等の読み込みをしているのですが、なかなかつらい。


 現時点では、無体財産権の取得・管理等に掛かるライフサイクルコストをベースに、コストアプローチによって価格評価を行う方法が、技術的にみると簡便な評価手法なのではないかという気がしているのですが、それでもやはりコストアプローチで得た評価額というのは市場で取引される場合の価値とは、また別のものですからねぇ。


 もちろん、不動産鑑定評価だって取引事例比較や収益還元価格とでは、実際に求められる価格には乖離があって、実際的により説明力の高い価格を採用して鑑定価格を決めるわけですが、専門家が出した評価額だと逃げれるところがまた魅力と言うか(笑)もちろん、詳細に打ち合わせて、評価内容も厳しくチェックはするんですけどね。