マックス・ヴェーバーの哀しみ―一生を母親に貪り喰われた男 (PHP新書)
- 作者: 羽入辰郎
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/11
- メディア: 新書
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今回の新書は購入したばかりで、まだ未読状態なのですが目次等をざっと読んだ限りでは、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』におけるヴェーバーの資料操作の問題を、ヴェーバーの個人史と関連付けて分析している本のようです。ただ、著者も巻末で述べているように、そこまでしっかりとした学問的な裏づけのあるような話でもないような感じです…。
ヴェーバーといえば、社会科学を学ぶ人であれば一度は読んだことがある古典のスタンダードナンバーの一つかと思います。私自身についていえば、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』*1は高校2年頃に興味本位*2で読んだのですが、何せ当時の読書力なりバックグラウンドとなる知識が大したことないので、プロ倫をまともに読解できるはずもなく、現在ではその内容も大半忘れてしまいました。しかしながら、ヴェーバーのその他の著作では『職業としての政治』『職業としての学問』等を大学に入ってから読んだり、『社会学の根本概念』あたりは教養系のレポートで引用したり、読んだ方がよいと言われて結局読まなかった『客観性』とか(笑)、読む前に挫折した『法社会学』とかorz、色々と思い入れのある学者ではあります。*3
大学生の方でヴェーバー読まれたことのない方がいたら、『職業としての政治』とかは薄いしテーマ的にも読みやすいと思いますので読まれてみてはいかがでしょうか*4。ヴェーバーの著作を読むのには、タイトル数は少ないものの岩波文庫版が一番手ごろかと思いますが、創文社でしたか確か全集的な本も出ていたと記憶しています。
最後に、この著作が新書として公刊された以上は、この本を通して初めてウェーバーについて知る人もいるか思いますけど、どちらかというと同じ新書でも山之内靖『マックス・ヴェーバー入門』(岩波新書)あたりの方が先に読む本としてはよいと思いますので付け加えます。