ネーミングライツ祭りオワタ?

 「自治体の「命名権」ビジネス窮地不況で企業が二の足 応募ゼロ増加」(平成20年2月1日配信 産経新聞)とのこと。ネーミングライツって、確かに一時期はやったんですが、私が前職場で働いてたころの後半から、ネタが出つくした感があって*1、個人的な感想としてはビジネスモデルとしてもう限界なのかなっていう印象を受けてます*2

 ネーミングライツを導入する際の企業側の動機と言うのは、いくつかあると思うんですが、その中でも最も主要な同期と思われる広告効果っていうのから考えると、ネーミングライツを導入して企業側に広告効果が期待できるハコってそんなにないんですよ。プロ野球やサッカーの公式リーグ戦で利用される試合会場、国内的に大きなコンサートや展示会会等が開かれるコンサートホールやイベント会場とかじゃないと、企業側がネーミングライツを買うメリットがない。もちろん、このような魅力的なハコ以外でネーミングライツを売る場合もあるんですが、その際には、売却価格を下げなきゃならないんですが、あまりに値段を下げると、あまり好ましくない企業にネーミングライツを買われるリスクが上がるし*3自治体側の財政上のメリットも薄くなってくるもんですから、わざわざ導入する必要があるのかという話も出てくる。


 もちろん、ネーミングライツを買っている企業にとってのメリットって、単に広告効果だけじゃなくて、例えば地元企業が参加することで地域社会への貢献活動という側面もありますし、公的施設に企業名なりを冠することによって官庁御用達みたいなブランド力とか企業イメージの強化などを狙っている部分もあったりするわけす。個人的には小規模自治体とかの施設に地元企業が参加している例とかだと、広告効果よりも地域貢献とか企業ブランドの向上とか、そっちの方が企業側のインセンティブになっているのかなという印象を受けてます。


 さて、PFI、事業用定期借地権、ネーミングライツ、公有施設への広告導入、行政財産の貸付、そして某県がやったあと後発自治体が出てこない首都圏物件の証券化wと金策手法の栄枯盛衰が激しい管財業界ではございますが、次は何が流行るんでしょうかねぇ。興味津々ですw

*1:道路に導入しようとした某県とか、庁舎に導入すると言って話題になった某県とか

*2:もちろん、まだ導入を行う余地のある施設は沢山あるのかもしれませんが、ある程度、枠組みが出来上がってしまって、あまり発展する余地は少ないのではないかと。

*3:もちろん、怪しい企業とかは審査段階ではねるんでしょうけど。